オウンドメディアを運用するかどうかを検討する上で、オウンドメディアにどのような効果を期待できるのかという事は非常に気になるところではないでしょうか?そこで、今回はオウンドメディアで期待できる効果についてご紹介していきます。
目次
オウンドメディアマーケティングとコンテンツマーケティングの違い
オウンドメディアマーケティングやコンテンツマーケティングと言う言葉はここ数年で一般化してきましたが、それぞれの違いを正確に理解できていない方も多いのではないでしょうか?
双方のイメージとしては、「良いコンテンツ(情報)」を提供することによって集客する点で合致しています。オウンドメディアはコンテンツマーケティングの一部であることが分かります。つまり、コンテンツマーケティングの方が広義であるということです。
オウンドメディア以外のコンテンツマーケティングとは、どんなものなのでしょうか?
例えば、SNSでのバズマーケティングを挙げることができます。SNSを使ってコンテンツを発信していくことと、検索エンジンから流入を狙うのは別のマーケティングなのです。SNSで拡散してバズる記事と、検索エンジンで評価される記事の質は異なります。
それくらいコンテンツマーケティングという言葉は広義であり、オウンドメディアマーケティングとコンテンツマーケティングは違うということを理解しましょう。
オウンドメディアマーケティングと従来型マーケティングの違い
オウンドメディアが近年注目されていますが、従来のマーケティング施策とはどんな違いがあるのでしょうか?
インターネットが普及する以前はマスマーケティングによる認知訴求としてブランディングを行い、SP媒体(チラシやPOP)等の紙媒体で囲い混みを行うのが常識でした。
昔はインターネットのように第三者発信の情報や意見、口コミなどは閲覧する術がありませんでしたので、企業発信の情報に消費者は洗脳されていたと言っても過言ではありません。
消費者は商品やサービスの体験談は知人にしか拡散しませんので、良い情報を拡散するのは難しいですが、一方で悪い評判も拡散されないというメリットもありました。
しかし、現代ではインターネットの普及によって企業の情報を信用しない人が増えています。「今までは消費者を洗脳できたことが、今はできない。」「信頼を獲得するには、ユーザーの有益な情報を発信しなければなかなか振り向いてくれない。」「振り向いてくれなければ認知されていないしてもらえないので、買ってもらえない。」
このような流れから、消費者の信頼を獲得するためにオウンドメディアが台頭しているのです。
逆に、昔は消費者とコミュニケーションをとる機会が少なかったですが、今はインターネットでコミュニケーションがとれます。企業側は運用管理が大変かもしれませんが、時代の進化に合わせ対応しなけれはなりません。
一方的な情報発信していた時代から、企業とユーザーがお互いにコミュニケーションを取れるようになったことで、自社のファンを増やすことができるようになったというメリットがあるのです。
しかし、デメリットがないとは言い切れません。オウンドメディアと簡単にいっても、業種によっては既に優良なオウンドメディアを立ち上げているライバル企業が多数存在する業界もあります。
その場合、後発でメディアを立ち上げることはリスクを抱えながら同じ土俵にあがることになります。ユーザーは双方のサイトを比較し、優劣をつけ、メリットを感じるサイトに訪問することになります。
稚拙なオウンドメディアを立ち上げてしまうと、そこでライバルと比較され、魅力のないサイトだと見込み客を失う可能性を秘めているのも現実です。
これはコーポレートサイトも同じ事が言えますが、いつまでも古いUIでいるとユーザーに古くさい企業と印象づけてしまい、逆効果になる可能性もあります。
来訪者はサイトのイメージで会社の度量を判断してしまうので、機会損失にならないよう、時代に即したサイト作りをしなければマイナス効果がでてしまうというということを覚えておきましょう。
オウンドメディアのメリット
オウンドメディアとコンテンツマーケティング、従来のマーケティング施策について説明しましたので、オウンドメディアがどんな効果を持っているかを説明していきましょう。
オウンドメディアで価値のある情報を得ることができれば、消費者は必然的に新たな情報を求め、再来訪してくれるでしょう。その接触頻度により、情報発信元の企業に対して興味関心を持ってもらい、信頼感を植え付けることに繋がります。
そして、関連した商品の購入を検討している段階では、同業他社よりも関係性が築けているため、購買に繋がりやすい効果があります。他にはどんな効果があるのでしょうか?まずはメリットについてご説明しましょう。
広告依存からの脱却(費用削減)
企業の中には、集客を広告に頼りきっているところも多いのではないでしょうか。一概にそれが悪いとは言えないのですが、広告で多くの顧客を集めようと思ったらそれなりの金額を費やさなければなりません。
しかし、オウンドメディアの場合はコンテンツが資産となって残りますので、長期的には広告と比べて費用対効果が良いのです。オウンドメディアの運用にかかる費用は、人件費とサーバー代、外注する場合は外注費くらいですので、広告に比べてコストパフォーマンスが良いのは明確です。
見込み顧客の育成
見込み顧客を育成・獲得することができるのは、オウンドメディアの大きな強みではないでしょうか。自社の商品・サービスに関連するキーワードを検索するユーザーは自社の見込み客ですし、サイトにアクセスしてくれればその顧客と接点を持つことができるのです。
また、サイトにアクセスしたユーザーがサイト内を回遊することで自社に興味をもち、購買行動に移る可能性が十分あるのです。
コンテンツが資産となる
コンテンツが資産となって蓄積されていくことも、オウンドメディアの効果の1つです。時間をかけて作成したコンテンツは、サイト内に資産となって残るのです。これは、常に費用がかかる広告とは異なる点でしょう。
もちろん、作成したコンテンツに全く手を加えなくても良いという訳ではありません。記事を随時修正していく必要はあるものの、一度集客できるようになってしまえば、ノウハウと仕組みも社内に蓄積されるのです。
価値のあるコンテンツであれば長い間ユーザーに読んでもらえますので、会社の資産となって集客の手助けとなってくれるでしょう。
競合と差別化できる
オウンドメディアを通して自社のファンになってもらえた場合、他社との価格競争に巻き込まれないという効果があります。
自社のことを好きになってくれる人が増えればより多くの見込み顧客と接点を持てますし、結果として「好きだから」といった理由で商品・サービスを購入してくれる人が増えるでしょう。
効果測定をしやすい(PDCAが回しやすい)
オウンドメディアは効果測定がしやすいため、PDCAサイクルを回しやすいということも大きなメリットです。Googleアナリティクスを使えば、ユーザーがどのページにどれくらいアクセスしているのかを一目でチェックできるからです。
また、検索順位もすぐに確認できるため、どの記事が評価されていないのかもすぐにわかります。このように、オウンドメディアの問題点をすぐに発見し、改善することができるのです。
オウンドメディアのデメリット
即効性がない
オウンドメディアは広告と違い、即効性のある施策ではありません。ですので、短期的な成果を求めている場合は適していないかもしれません。オウンドメディアは、あくまでも長期的に運用することで成果が出るのです。
ノウハウを持っている企業や人材が少ない
オウンドメディアを立ち上げようと思っても、ノウハウを持っている企業や人材は少ないことがハードルとなっていることも多いです。これは、オウンドメディアのコンサルティングをしている会社も例外ではありません。
コンサルティング会社も詳しいノウハウを持っている人がいない場合も多いのです。自社にノウハウを持っている人材がいない場合も多いので、その点が大きな障壁となっているケースが多いです。
記事の質を保つことが難しい
記事を内製している企業は、ライターさんが専門知識を持っている人が多いので、質の高い記事を量産することができます。ですが、運用体制が整っていない企業にとって、記事の質を保つことは非常に難しいでしょう。
社内のリソースが少ない会社は、ライティングを外部のライターに外注していることが多いからです。外部のライターで専門知識を持っている人は少なく、結果的に専門性の高い記事を作成できないのです。
記事の質が高くなければ検索結果でも上位には表示されませんので、流入数を増やすことも難しくなるでしょう。
オウンドメディアのSEO対策については、以下の記事でまとめてありますので、こちらの記事をご覧になってください。
効果測定のやり方
オウンドメディアのメリットの1つに「効果測定がしやすい」とありました。効果測定をするために、どのような手順でやっていけば良いのでしょうか。
長期的な目標・ゴールを決める
まずは、どんな目的でオウンドメディアを運用するのか、長期的に何を達成したくて、どの数字を追っていくのかをはっきりさせる必要があります。
長期的な目標がはっきりしていないと目指すべき方向性がブレてしまいますし、短期的に何に着手して良いのかも分からなくなってしまいます。
ですので、オウンドメディアを運営するにあたり、何を実現したくて、その目的を達成するにはどれくらいの数値を達成するのかという目標を決めておきましょう。
KPIを設定する
KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、目的を達成するための中間目標のことを指します。最初に決めた長期的な目的を達成するために短期的な行動目標を決めておく必要があるのです。
例えば「〇〇日までに記事を10本作る」「〇〇日までに10記事を追記する」といったものです。つまり、長期的な目標に対して短期的にはどの施策を打てば良いのか、またどれくらいやれば良いのかをはっきりさせなければいけないのです。
また、「KPIを達成しても目的を達成できない」と途中で判断した場合は、その時点でKPIを修正し、目的の達成により近づける行動目標を設定していきましょう。
実行する
KPIを設定したら、あとはそれを淡々とこなしていくだけです。
KPIを設定している時点で、それを達成できれば大きな目的も達成できるという仮説ですので、KPIを達成することに集中して取り組んでいきましょう。
また、先ほども説明しました通り、KPIを達成しても目的が達成できない場合は、KPIを修正していきましょう。
効果測定をする
KPIで設定した期間になったら、どれだけの効果があったかを振り返ってみましょう。
KPIを達成できたのか、達成した場合はどれだけ効果があったのか、効果がなかった場合はKPIの設定が正しかったのかを振り返ってみましょう。
KPIの設計によって成果が変わりますので、KPIの設計が正しかったのかを振り返ることが大きな目的です。
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まとめ
オウンドメディアの有効性とそれとは裏腹に危険性を秘めていることが理解できたと思います。中途半端に立ち上げることはせず、長期的に運用ができるベースと方向性をもって社内全体で取り込みことをオススメします。