就職活動で重要となるのは、今や面接だけではありません。1つの評価基準として多くの企業に用いられているものが「グループディスカッション」です。
GDでは役割分担をして進めていくことがセオリーとなっていますが、中でも議論の中心にいる司会、書記、監査、タイムキーパー等に注目が集中してしまい、役職を得られなかった就活生はそれらと比較して議論での注目度が多少なりとも下がってしまいます。
これは役職のない就活生が議論の進行の妨げにならないタイミング、つまり自身の意見を発言する時や質疑応答の時など発言機会が限られてしまうことによって起きてしまう問題です。
しかし、役職がなくてもそれぞれの役職のサポート役をすることが可能です。役職に関係なく注目することで平等性を維持できる評価ポイントを是非参考にしてください。
1.役割に執着しすぎない行動
役職はあくまで議論を円滑に進める上で便宜上設定するものです。
GDで評価をするとなると役職に目を引かれることはあります。しかし、必ずしも役職を持っている人がその役割を実行しないといけない訳ではありません。議論を円滑に進行していく上で役職に固執せずにサポートとして様々な役職の役割をフォローできるというのは1つ重要な評価ポイントです。
役職の人がうまくいかず、滞った状態をうまくフォローし助け合えることはグループワークでは欠かせないポイントです。うまく議論の展開を読み、いま自分が取るべき言動を瞬時に判断し、それを行動に移せる能力は誰もが兼ね備えているものではありません。
2.自身の意見を自分の言葉で伝えられているか
議論を進めていくと、似通った意見をもった人が出てくることがあります。
その時に「〇〇さんと同じです。」と一言でまとめることは議論の進行速度を上げる面では良いかもしれませんが、できるだけ自分の言葉で表現し、前者との多少の意見の相違を表現することはとても大切です。
同じ言葉を使っていても意外と捉え方が変わってしまう、間違ったステレオタイプとして議論が進行してしまい後々大きなズレとして現れ、議論の滞りとなります。圧倒的な発想力や独創的な意見は確かにインパクトのある評価しやすいものです。
しかし、できるだけ自分の言葉で、自分の意見を伝え意見の認識の誤差が生まれないように努めることも議論ではとても重要になってきます。それぞれの意見を伝える時に使う言葉や言い回しといった「伝える能力」にも注視して評価するようにしましょう。
3.他者の意見の理解に努めようとする質問
質問をすることは間違いなく他者の意見に対して興味を持っているということです。
わからない言葉、間違った解釈をしていないかなど、他者の意見というものを正しく理解しようとすることは議論の中で一番大切なことです。他者の意見を聞き、自分の解釈の正誤を発表者に問うことは、周りの意見を聞いていた人たちの解釈のズレを確認することに繋がります。
例えば、議論が行き詰まった時、飛躍してしまった時に議論の中で共通認識として当たり前に使われていたキーワードや同じ言葉に注目し、それぞれがその言葉を使わないで言い換えてみる。すると同じ言葉でも、それぞれ認識や使用方法として誤差があり、それが議論の飛躍や滞りの原因となっていることもあります。
人の意見に質問することは、勇気のいることです。しかし相手に嫌悪感を持たせない言葉、態度での質問は議論の一環として流してしまうにではなく、その他者を理解しようとする姿勢を評価する必要があります。
まとめ
議論を進めていく上で大切なことは、リーダーシップ、想像力、発言力といった目に見えやすいものだけではないはずです。
人と人の繋がりの中で他者を理解しようとする態度、言葉選びに神経を向けられる人は、それだけ正確に物事を捉えようと努めるし、何よりも一緒に議論をしていて自分の意見に興味を持ってもらえると、とても気持ちがいいです。ぜひ、今回評価すべき点としてあげた3つの要素に注目してみてください。