パソナ、パーソル、リクルートスタッフィング大手派遣会社が業績好調な一方で人材派遣業の倒産が深刻というニュースを読みました。
2017年度の労働(人材)派遣業の倒産が、前年度と比べて28.1%増の73件となり、4年ぶりに増加した。帝国データバンクが18年4月4日に発表した。負債規模別でみると、「5000万円未満」の小規模倒産が全体の7割を占めた。
引用:https://www.j-cast.com/kaisha/2018/04/06325607.html
73件が多いのか少ないのかデータから推測してみます。
2016年度の派遣会社の事業所数は81,530か所です。2015年9月30日の派遣法改正で派遣事業の届出制が廃止され、許可制(一般)に一本化されました。移行措置により2018年9月29日まで届出制による派遣事業所が認められており許可制・届出制の事業所が併存することになります。2016年には届出制による事業所数は5,189か所減少しています。
引用:https://www.jassa.or.jp/keywords/index1.html
81530カ所から考えると倒産件数73社は誤差みたいな数字ですね。
最新の許可・届出事業所数推移を調べてみました。
2016年12月:81530カ所(一般20576、特定60954)
2018年01月:77560カ所(一般26491、特定51069)
https://www.jassa.or.jp/corporation/permission.html#permission01
派遣会社の数はアメリカの約5倍(事業所数約2.6倍)とも言われているため、多すぎたのが適正な件数に戻りつつあるのかもしれません。
人材派遣を認められている事業所なのに派遣実績がない事業所は約20%とあるとのデータもありますが、今回の倒産した人材派遣会社が実際に派遣事業を展開していたかは確認できません。
参考:人材派遣の「現状」-日本の人事部
https://jinjibu.jp/f_haken/article/detl/outline/1567/
人材派遣会社の業績は好調ですが、一方で市場としてはクラウドソーシングも見逃せません。
最近ではランサーズ・クラウドワークスといったクラウドソーシングサービスを利用し、人材募集している会社も多いですが、10年前なら派遣会社を使っていたと思われる募集が多いからです。
働き方の多様性が広がっていく中で、中長期的には派遣会社もフリーランスまたはリモートワーク専門の部隊を作ったら面白いと思っているのは私だけでしょうか。