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格差拡大から考える『年収と幸福度』の相関性

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2020年に新型コロナウイルスが流行して以来、世界各国の景気は低迷し、日本では『アベノミクス』の好景気が終了。そのような経済状況を打破するために、各国の中央銀行が異次元の金融緩和政策を実施。その結果、足元の経済状況が回復していないにも関わらず、先進国の株価が急激に上昇した影響で、経済格差がコロナ過以前よりも広がってしまいました。

世界の富裕層2000名が、最貧困層46億人より多くの資産を持つと言われています。この格差拡大の流れは、今後も加速していくことでしょう。そのため「お金が全て」ではないけれども、資本主義経済でお金を持つことは非常に大切です。そのような中、とても興味深い研究結果が発表されました。それは『年収と幸福度』の相関性です。

『年収と幸福度』の相関性

年収7万5000米ドル(約800万円)で幸福度はほぼ頭打ちになる」という研究結果が、ノーベル経済学賞受賞者である心理学者ダニエル・カーネマン教授らによって発表されました。これは裏を返すと、年収7万5000米ドルまでは、年収と幸福度が強く相関するという訳です。つまり、年収が上がるほど、幸福度も上がります。

このデータを採用に活かすと、年収800万円までの求人であれば、オファー金額をなるべく高く設定した方が、欲しい人材からの応募数や、内定承諾率が上がるということです。しかし、年収と幸福度に強い相関性があるとデータがあるにも関わらず、日本の平均賃金は、企業の内部留保の膨張や、低賃金の非正規労働者が増えた影響もあり、ここ数年は右肩下がり。

一方、平均賃金が上がらない中で、日本銀行の黒田総裁が年率2%のインフレ目標を掲げたり、リタイア後の老後資金に2000万円が必要と言われるようになったため、労働者の「お金」に関する興味関心は急激に高まりました。

このような結果、個人側は「お金」を第一の目的として、就活・転職活動する動きが近年、非常に加速しています。一方で、残念ながら企業側は「一億総中流社会」「年功序列」を大事にして、お金のことは微塵にも出さずに、従業員は会社のために滅私奉公すべきというひと昔も、ふた昔も前の社風が残っている会社が日本には数多く存在します。

しかし、そのような原始時代の社風が残っている会社ほど、時代の流れに合わせられずに採用に苦戦をします。そのような会社が採用成功するためにアドバイスしたいことは、社会は『生き物』であるため、流行に遅れを取ると、商品が売れなくなるのと同じ理由で、良い人材も採用は出来ません。

人件費を削減すべきコスト対象として考える時代は終わっています。優秀な人材には相応の報酬を支払うこと。これが現代の採用スタイルです。このスタイルを取り入れることができないのであれば、欲しい人材の採用が上手く良くはずがありません。もはや、会社が上、従業員が下という関係性は終わりを告げており、あくまで企業と社員は対等です。

最後にまとめると、良い人材を採用したい場合は、それ相応の報酬を支払うことが必要になります。例えば、いまメジャーリーグで大活躍の大谷翔平選手対して、年俸100万円で日本の独立リーグの野球チームがオファーしても、承諾する訳がないですよね。ただ日本のビジネスの世界では、同様の事例がまかり通ってしまっている悲しい現実があります。

なぜ高パフォーマンスを出せる人に、低賃金しか支払わないのでしょうか。大谷翔平選手のメジャーリーグの世界だとイメージが沸きづらいかもしれないため、もっと身近な具体例を出すと、いまこれを読んで頂いている皆様が、現状の半分の給与しか貰えないとしたら、今の仕事を続けますか?続けませんよね。他を探しますよね?

つまり、お金と仕事内容は密接に関係があります。そして、年収が800万円までであれば、報酬が上がるほど幸福度が上がり、社員の定着率も改善します。人事担当者さんは、上記のことを肝に銘じて、今後の採用活動に励んで頂けると嬉しいです。貴社の採用が上手くいくことを祈っています。

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