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将棋の駒の役割から見る新卒採用との共通点

史上最年少プロの棋士となった藤井聡太さんが史上最年少3冠を達成しましたが、将棋とは1対1で持ち駒を使い9×9=81マスの中で相手の王将(対戦相手は玉将)を取り合うポピュラーなボードゲームの1つです。シンプルですが戦略性に富んでおり、日本国内の将棋人口は530万人と言われています。

今回の記事は、将棋の詳細なルールや戦術ではなく20個ある持ち駒のそれぞれの性質に焦点を当て、人事採用とどこが似ているのか書いていこうと思います。

個々の駒にはそれぞれの性質がある

持ち駒は20個。使える自分の持ち駒の内訳を見ていきますと王将(玉将)1つ、角飛車それぞれ1つ、金、銀、桂馬、香車はそれぞれ2つ、歩は9つとなります。全ての駒が同じ動きできるわけではありません。ここからは、それぞれの駒の紹介をしていきます。

一度に前方に1マス分しか進めません。しかし20個のうち9つを占め最多の駒です。

香車

前にだけ無限に進めます。左右斜めに移動できず、そして後ろには引けません。たまに突っ走りすぎる可愛いやつに思えます。

桂馬

2マス前の左右1マスのどちらかに進めます。トリッキーな動きで、なぜそんな動きを?と不思議な駒です。

飛車

縦横方向に自在に動くことができます。

斜め方向に自在に動くことができます。

飛車、角はそれぞれ移動距離と移動可能な方向が4方向で、自在度は高いです。しかし無策で相手陣地に突っ込ませるとすぐに取られてしまいます。

横と後ろ斜め方向にはいけないだけでそこそこ優秀ですがやはり1度に1マスしか移動できません。

斜め後ろ以外に動ける優秀な駒です。しかしやはり1度に1マスしか動かせません。

王将(玉将)

全方位に動ける最も優秀な駒です。しかし1度に1マスしか動けません。

駒と新卒のスキルの高さの割合は似ている

それぞれの駒の優秀さの割合は、企業組織編成にも似通っていますが、新卒採用だけに限定しても採用人事担当者なら申し込んでくる面接等希望者と非常に似ていることに気づくのではないでしょうか。

45%は頼りない新人

駒の割合と似ていると考えれば、45%の確率で歩のような一度の行動で1つ前に進むだけしかできないような新人になってしまいます。他方で金や王将のような優秀な新卒は20人いれば、そのうち3人程度となり、5〜10%の確率となるでしょう。

ただし優秀な新卒は自分の会社だけに面接に来ているとは限りません。複数の企業の面接を受けているはずなので採用に至る確率はさらに低いと考えられます。

個人の能力は学歴だけでは量れない

人事業務だけでなくともある程度会社や組織で働いていれば経験的に知っている人が多いとは思いますが、決して履歴書上の学歴だけでは本人の能力は把握できないところが多いです。採用担当者に聞くと、大卒者より中卒者の方が仕事の飲み込みが早いと評価する方もいます。

採用時は頼りなくとも先を見据えての採用を

ここまでの解説だと人事採用担当者としては心労がかさむかもしれませんが、おしまいに将棋自体のルールに少し触れながら、その不安を少し軽くする話をしたいと思います。

経験を積むと「金に成る」

最初は1マスずつ前にしか進めない歩でも、敵の陣地側縦3マス分のエリアに入ると歩から金と同様の動きができる「と金」に「成る」ことができます。

この金と同様に「成る」のは他に香車、桂馬、銀になります。飛車が「成る」と縦横の自在な動きを保持しつつ斜め方向に1マス動ける「龍」または「龍王」に変わります。

角については斜めの動きを保持しつつ縦横の1マス動ける「馬」または「竜馬」となります。「金に成る」ことは、例え頼りないとかクセが強い新人でも経験を積めば活躍できる人材になり得ることと同じではないでしょうか。

あとは新人が成長できるような仕事の振り方をできるかどうかの現場次第になりますので、採用担当者の方は「大事に育てて下さいね!」と現場に念を押しておきましょう。